洋書特有の読書テクニック

最後に、洋書特有の読書テクニックですが、以下の3点に気をつける必要があります。

1)訳読しない。
2)アウトプット言語でまとめる。
3)辞書を引く手間を最小化する。

1と2については、既に説明済みですので(1についてはこちら、2についてはこちら)、ここでは3についてご説明します。

基本的に、文字通り「辞書を引いている」時間というのは、無駄な時間です。辞書を引いて辿り着いた情報を読んでいる時間は有効な時間ですが、辞書を指で繰っている時間というのは、単なる指の運動時間に過ぎませんから、何の情報も得ていないきわめて無駄な時間なのです。

しかも、この指の運動は、実際にやってみると分かりますが、きわめて苦痛な作業です。特に、辞書のサイズが大きくなればなるほどこの作業は疲れます。

したがって、この「辞書引き」というまったく無価値な徒労を最小化する必要があります。間違っても、「辞書引きをしたくないために洋書を読む気が起こらない」などという本末転倒なことが起こってはなりません。

実は、この問題は、電子辞書を手に入れることによりきわめて簡単に解決できます。電子辞書というのは、単語の綴りを入力するだけで自動的に目的の単語が調べられる素晴らしい情報ツールです。私も、電子辞書を初めて手に入れたときには、その威力に本当に驚かされました。とにかく、今まで手で辞書を引いていたのが馬鹿らしくなります。いかに無駄なことに時間と労力を割いていたのかがよく分かります。

もっとも、言語によっては電子辞書がそもそも存在しませんので、その場合には紙媒体に頼らざるを得なくなります。作業効率が著しく落ちますが、他に選択肢がないのでどうしようもありません。

また、インターネット上の情報であれば、バビロンがかなりの威力を発揮します。これは、意味を知りたい単語をクリックするだけで意味が出てきます。英和の場合にはワンクリックで済みますし、その他の言語の場合にも、英語経由で日本語に辿り着くのにツークリックで済みます。現在のところ、ロシア語の辞書についてはまだまだ改良の余地がありそうですが、英語のほか、ドイツ語・フランス語・スペイン語・オランダ語あたりはバビロンでだいたい事足ります。

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