ビジネスマン(とくに経営者)
成功するビジネスマン(とくに経営者)はアメリカのビジネス書を読んでいることが少なくありません。なぜかというと、ビジネスのやり方に関するノウハウや、お金に関するノウハウについては、アメリカにかなりの蓄積があるからです。これは、アメリカが世界一のGDPを誇るビジネス大国であるということと関係があります。もちろん、アメリカで評価の高いビジネス書には日本語に訳されたものも非常に多いのですが、訳されていないものも結構あります。こういう本を世の中より先に読んで、成功しているビジネスマンは結構います。
例えば、三浦哲『他人より先に洋書を読んで億万長者になりなさい』(15-17頁)には、学習塾経営者である著者が、当時まだ訳されていなかったダン・ケネディの『The Ultimate Sales Letter』をどのように役立てたかという具体的な話が出ています(なお、編集の都合上、改行を若干減らしました):
1週間くらい経って、その本が私の手元に届きました。宅配便のお兄さんから箱を受け取るやいなや、ガムテープを剥ぎ取り、本を取り出し、空箱を片付けるのも忘れて、むさぼるように読み始めました。留学していたといっても、私は日本人。やっぱり英語を読むのにはかなり抵抗があります。なかなか読み進めることができません。内容もよくわからないところがたくさんあります。
でも飛ばしながらでも理解できる内容に、ものすごいインパクトがありました。なんて言うのでしょう。体が震えるような感じがありました。これはすごい。どうしてこんなにすごい本が日本では知られていないんだ? どこの出版社も翻訳しないんだ? まあ、いい。とにかくここに書いてあることをできるかぎり理解して、自分なりに応用してみよう。これはうまくいくかもしれない。そう思いました。
本に書いてある内容を、最初はダイレクトメールで試しました。少し反応が上がりました。そしてまた本を読み、今度はチラシで試しました。最初は失敗しました。でも、知り合いから「チラシ見たよ」と言われることが多くなりました。これは今までなかったことでした。
「いけるかもしれない」 そう感じた私は、ダン・ケネディの本を買いあさりました。そして、またその内容を試しました。すると、また少しいい結果が得られるようになりました。今度は、同じ分野の違う人の本を買いました。そして、そこからまた新しいアイデアを得て、実験を繰り返しました。
少しずつ、少しずつですが、「自分が学習塾での活動を通して伝えたいこと」を適切な形で地域の人たちに伝えることができるようになってきました。うちの塾が他の塾とどう違い、どういう考え方で活動し、どういう結果を出してきているのか。それをウソや大げさなキャッチコピーのある文章ではなく、適切で誠実な形でしっかりと伝えたい人に届けることができるようになっていきました。
その結果、じわじわと生徒数は伸び始めました。業績も順調に伸び始め、それまで何年も、まったく一人でやっていたのですが、アルバイトやパートを雇うようになりました。そして、あっという間に従業員を数人雇うようになりました。
このように、洋書はビジネスにもたいへん役立ちます。アメリカの洋書には素晴らしいものがたくさんありますが、そのうち最も古典的なのは、ナポレオン・ヒルの成功哲学に関する著書でしょう。これは、大富豪であった鉄鋼王カーネギーの肝煎りで500名の実業家の調査を行ったヒル博士が、彼らに共通する成功の方法や哲学についてまとめたもので、ビジネスマン(特に起業家・経営者)なら絶対に読む必要があります。『思考は現実化する』、『自己実現』、『成功哲学』など、邦訳も結構出ていますので、とりあえず邦訳から読んでいくとよいでしょう。アメリカでは、まだ日本語では出版されていない『Law of Success』なども出版されており、また、オーディオブック化も進んでいるので、英書が読めて英語が聴ければ、日本語では得られない情報も得ることができます。
ところで、アメリカのビジネス書は、そのほとんどがオーディオブックになっている点が優れています。しかも、たいへんな安価で手に入れることができます。オーディオブックの利点は、いつでもどこでも聴くことができるという点です。車の運転中や、通勤電車の中、料理・掃除・洗濯といった家事をしている最中や、散歩の最中など、文字通りいつでもどこでも聴くことができます。しかも、耳から入れる情報は、目から入れる情報よりも鮮明に記憶に残ります。
このように、さまざまな点でアメリカのビジネス書は優れているので、洋書を読めることはビジネスにおいて大きなメリットとなります。