世界観が広がる、世界が広がる

語学を学んだり、洋書を読んだり、外国文化に触れたりというのは、究極的には、その国・その文化の人々の考え方を知るということです。つまり、自らの価値観とは異なる価値観を学ぶということです。洋書を読むことの究極の意味というのは、結局のところここにあるのではないかと思います。

世界のいろいろな国のいろいろな人々の価値観を知るのは本当に楽しいです。それまでの自分のものの考え方が相対化されて、物事を多面的に考えられるようになります。そうすると、世の中のいろいろな仕組みが理解できるようになってきます。これは体験したことがないと分からないと思いますが、本当に面白いことです。人間的にも、どんどん深みが増していくと感じます。

それに、世界中のいろいろな文化に興味を持つと、自ずといろいろな人に出会えるようになります。例えば、ドイツ語を学びドイツの洋書を読むようになって、数え切れない素晴らしい出会いを体験できました。また、私はかねてからロシアに興味を持っていたので、最近ロシア語を学んでいますが、不思議なことに、そうするとロシア人との出会いというものが訪れるのです。そして、実際に長い時間ロシア人と接してみると、「ロシア人はこういうふうにものを考えるんだなぁ」とかいろいろなことが分かって、ますます面白かったりします。こういう人生は、退屈することがまったくありません。

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